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マクソニックってなんだ?
よほどのベテランマニアでなければ、まさに未知のブランド。
励磁型スピーカーで有名だった同社ですが、日航ジャンボの御巣鷹山事故をきっかけに会社を解散します。
その後、当時マクソニックに磁気材料を提供していた会社の方が、マクソニック復活を決意。
ご親族の方からブランドを使う許可も得て、返り咲いた高級オーディ専門メーカーです。

そのマクソニックが初めてのプリメインアンプを出しました。
親しい方から、「今度のマクソニック、すごく良いよ」と聞き、それじゃあ聞かないわけにはいかない。
と、メーカーから試聴機を借りました。
良いです。
これ。
使うスピーカーの選り好みもせず、あっからからんと鳴らしてしまいます。
これは詳しく見て行かないといけません。

■マクソニック プリメインアンプ Maxonic SD-016 希望小売価格1,134,000円


ではでは、順繰りに見てみましょう。
外観は何十年も経た製品の様なたたずまい。
なんでも「古美処理」というそうな。
渋くクラシカルな雰囲気は、他の製品では得難い個性です。
最新のオーディオ製品群にこんな製品が割って入るなんて、想像するだけで楽しいですね。

 
入出力端子は削り出しの高級品、あまり見たことが無い形態ですからオリジナルかも知れません。



入力された信号はセレクタースイッチに直行。
入力の4番に限り信号レベルを落とすための抵抗を介します。
それから今度は入力ボリュームへ。
このボリュームは、カナダ製と書かれています。
きっと、いろいろ試して、この部品に行きついたのだと思います。
だって、いい音しますから。





それから今度はアンプ初段の真空管に入り、増幅開始です。
2段目はSITのドライブ段。
3段目はSITの出力段。
これでおしまい。
真空管が1本、SITのドライブ段が1個、出力段はプッシュ・プルだからSITが2個。
なんとシンプルでしょうか。
もちろん、ステレオアンプですから全く同じものがもう一組あって、それでも真空管が2本、SITが6個だけの超シンプルアンプです。





ここまで見てきて、何やら見慣れない配線に気が付きました。
いろいろやってみた結果、この配線材料がとても良い結果を出せるのだそうです。
部品同士を直接リード線で結ぶやり方も、現代標準になった量産型生産方法のまさに正反対の手法。
シンプルな構成だからいいけど、これで複雑な回路だと修理の難易度が高くなるだろうなあ。
それにしても、生産性なんかを考えず、自身のベストと思って方法をとるなんて、なかなかできるものではありません。
本筋は以上ですが、ちょっと脱線して、周囲の構成も確認してみましょう。


これは電源トランス。
コアを締めるバンドにボルトが付いています。
実はバンドの締め付けトルクは、音質の変化が大きいところ。
最終的にここでも音質を合わせる調整を行っていると推測します。

これはSIT分の電源平滑コンデンサー。
配線もさることながら、固定も金属バンドを使わない工夫がなされています。
この辺は設計者の経験の深さを感じさせるところです。



これはスピーカーの保護回路。
過電流保護、直流検出保護を受け持っています。
信号のON/OFFは出力端子ぎりぎりに取り付けられたリレーの仕事。
これも基盤を介さず、ダイレクトに結線されています。

これはSITを冷却するためのファン。
煙突型のヒートシンクに取り付けられたSITを効率的に放熱します。
安全第一ですね。
さて、脱線はこのくらいにして、本筋に戻りましょう。
さっきから何度も登場しているSITってなんだ?
実は1970年代に東北大学で発明された増幅素子。
当時はV-FETと呼ばれ、YAMAHA、SONYなどからアンプが発売されていました。
大変に良い音質が出る可能性を秘めた素子でしたが、コストが高い、使いこなしにコツが必要で、周辺の構成もコストがかかる(ケチるとろくな音がしない)逆バイアスを掛けることから、設計が厄介。
(そんな事をめんどくさがるのは朝倉くらいかも知れません。ああ、恥ずかしい)
SIT(Static Induction Transistor)はその名の通り、静電誘導型トランジスターです。
大電流にも対応でき、低内部抵抗、低損失、高速動作など、優れた特徴を持ちます。
特にオーディオ用として重要なのは音質で、三極管の動作曲線に近い優れた音質を再現できる、高い可能性を持った素子なのです。
オーディオ以外にはたとえば超音波洗浄機の出力素子などにも使われているそうです。
今回採用のSITはNECトーキン製。
これまでのマクソニックアンプ内部とちょっと景色が違うのはそのせいだったのですね。
そのSITの特性をうまく生かして、とびぬけた音質のアンプを作ってやろうとしたのが本器です。
例えばドライバー段と出力段。
同じヒートシンクにきわめて接近して取り付けられています。
これはFETアンプでは特に重要な構成で、配線がちょっとでも長くなると、音質の劣化が著しい箇所なのです。
また、同一のヒートシンクに取り付けてあることから、熱的にも安定した動作が可能です。

ちょっとここも見てください。
出力に取り付けられた抵抗(エミッタ抵抗じゃなかった、ソース抵抗か)の値、0.1Ωです。
ふつうは0.33Ωとか0.47Ωとか、低くても0.22Ω位を採用するものですが、安定動作のよほどの自信が無ければできない構成です。
(テクニカルブレーン、ソニーの両社からはこの抵抗を排した製品が出ています。実験機ならともかく、市販するには大変な苦労があったと察します。)


NFBはありません。
従ってダンピングファクターはそれほど高い値ではありませんが、接続されるスピーカーに対し、いい意味で鈍感です。
よっぽど個性が強いスピーカーでなければ、鼻歌まじりでドライブします。

肝心の音質は?
品物がお店にありますから、聴いていただくのが一番です。
そうは言っても、なかなかお店に行かれない。
そりゃあそうですよね。
失礼いたしました。
一言で言って、鮮度が高い印象です。
一音一音の粒立ちが良くて、広がりだけでなく、高さや奥行を感じさせる能力があって、エネルギーを感じさせる、写実的な音質です。
録音状態の良いソフトを再生すると、まさに生き生きと再生が始まり、その場に居合わせたかのような錯覚すら感じます。
これ、注目の製品です。
最後に注意点もありますので申し上げておきます。
残留ノイズは多めです。
スピーカーに耳を近づけると、明らかに雑音が聴こえます。
リスニングポジションで無音時に気にならないからこれで良い、という方にお勧めします。
また、空冷のファンも回っていますから、アンプからのノイズも多少あります。
それから接続を行う際は、必ず電源を切って行ってください。
これはSITの特性で電源を入れていない状態でも電気が流れる特性を持っています。
電源を切ることによって、リレーによって回路が遮断され、安全に結線が行えます。
もし電源投入のまま配線作業を行うと、最悪の場合接続された機器を破損する可能性があります。
基本に忠実に使っていただければ、全く問題が無いと思います。
大きなメーカーの製品では見られない、明らかな個性を感じる逸品です。
すべてのユーザーにお勧めすることは出来ませんが、長所、短所を判っていただいたうえで、ご自身に関係のない部分の短所であるならば気にしない。
といった割り切りが必要になります。
私、朝倉は大雑把なので、多少のノイズは全く気にならず、聴こえても「今日もアンプが正常動作している証」くらいにしか思いませんでした。
製品の特徴だとお考えください。
以上、マクソニックのレポートでした。


■2014年11月8日(土)試聴会が決定いたしました!

【主催】  お茶の水ハイエンド中古館
【日時】 2014年11月8日(土)
              14:00~16:00 セミナータイム
              16:00~18:00 フリータイム
【場所】 お茶の水ハイエンド中古館店内

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