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FOCAL Sopra No2 を聴きに行きました。

 

 段々と気温高くなり、春の足音が聞こえ始めましたが、実は試聴に出かけたのは2月の上旬、およそ1ヶ月前の出来事でした。この筆の遅さは何とかしなければ。すみません。

 事の始まりはお得意さまからの電話。「FCAL Sopra No2に興味があるんだけど、どんな音か知ってる?。」知りません。まだ聴いていないのでわかりません。と答えてみたものの、気になる製品なのでありました。FOCALは以前からUtopiaシリーズは好きなスピーカーでしたし、今回はステレオサウンド誌で受賞しているし、聴かせてほしい。輸入元のロッキーインターナショナルに電話をすると、都合の合いそうな日程を提案してもらえ、今回の訪問が実現しました。

「前10時くらいに伺います。」と約束をして、当日は地下鉄日比谷線の三ノ輪駅下車。事前に用意した地図を確認しつつ歩く事約5分、無事にロッキーインターナショナル社に到着したのでありました。挨拶もそこそこに、早速試聴しましょう。試聴システムはアキュフェーズ。聴く機会が多い製品なので、判断がしやすく助かりました。また、部屋も特別な事をしていないマンションのようなビルの一室。この方が一般的な空間に近く親近感がわきます。
   

 早速、試聴。うん、良い音。性格的には家庭での音楽鑑賞に最適な感じ。モニタースピーカーのように、すべてを白日の下にさらけ出す。のとはちょっと違い、高い基本性能にプラスして、品の良い艶っぽさ、耳触りの良さを感じます。低域の表現は幾分ふくよかで、量感も充分。ベリリウムの振動板を使っているのですが、刺激的にならず、暗い音質にならず、ニュートラルな音色を実現しているあたりは経験の深さを感じます。

 感心したのは、実用性能の高さ。つまり、一般の住宅環境で使われるであろう音量でのバランス/音質がきわめてすぐれているところです。例えば、スピーカーを比較試聴する場合、お店のように周辺雑音が多い環境では音量が大きくなりがち。そう言った音量でいい結果を得られたスピーカーが、小さな音量でも必ずしもいい音を出してくれるとは限らないのです。想定している音量レベルがモニタースピーカーより小さいところにあるらしく、実際の使用環境でより能力を発揮しやすいのです。

 昨今、英国生まれのスピーカーに人気が集まっていますが、イギリスのお隣、フランス生まれのオシャレな音質のスピーカーも候補に入れてもいいのではないか?と思います。


 さあ、試聴も本気モードで行きましょう。情報量は多く、音場も広く展開。どちらかと言うと左右よりも奥行方向が深いです。帯域バランスはほぼフラット。ほんのちょっと低域のふくよかさを感じます。人の声が自然なのが良いですね。

 ボーカルは男性も女性もばっちり。ちゃんと張りのある人の声がします。

 高域の伸びは申し分なし。特定の帯域に強いピークを作って、高域が出ているような錯覚でごまかしているシステムと違い本格派。うまく分割振動させて、可聴対域外まで伸びきっている印象です。このあたりは一朝一夕では出来ない部分。ユニットメーカーとしての
FOCALやはり高い実力を持っています。この手の現代スピーカーとしては、能率もやや高め。音色も高能率スピーカーの典型で、明るめの表現。音離れ良好で、アンプにも過大な要求をしないで済みます。

いろんな要求性能で、ほぼすべてでトップグループに入る性能は出色です。もっと、注目されても良いと思います。良いスピーカーですよ。


 さて、せっかく来たのだから、隣にあるスピーカーも聴かせて下さいよ。と言う事で、
Micro Utopia Beに繋ぎ変えました。サイズは小さいですが、こちらの方が上級のシリーズ。さて、その音質。かなりの部分が共通でした。違って聴こえる部分をお伝えしましょう。Micro Utopia Beに比べると、Sopra No2は若々しくフレッシュな音質。張りがあって、活き活きした表現が得意です。対してMicro Utopia Beは落ち着いた大人の印象。聴感上の音数が増え、超微粒子に散乱。また、ユニット間の相互干渉も完璧に無くなっています。で、どっちが良いか?うーん、難しいな。たぶん、普通に音楽を聴かれる方にはSopra No2の方が良いのではないかと。Micro Utopia Beだと、接続する機器の良し悪しに敏感に反応するので、勢いアンプ類が高級になり(オーディオショップとしてはありがたいことですが)トータルのコストを押し上げると思います。贔屓にしているお店をお持ちなら、そこで訊いてみて下さい。きっと店員さんも一緒になって悩んでくれると思いますよ。


 最後になりました。色のバリエーションが多いのもうれしいポイント。色見本も用意があるようですから、比較検討するのも楽しそうです。


 当日試聴に使ったソフトです。高音質盤やレアものも入っていたりして、ですね。

 

このコーナーの担当は朝倉でした。



商品のお問い合わせはメールでも受付しております。
hi-endused@audiounion.jp
TEL. 03-5280-5104
FAX. 03-5280-5108
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■A級ステレオパワーアンプ



ACCUPHASE 「A-47」 680,400円 (税込) ⇒ 販売価格はお問い合わせください。
詳細は、こちら


【朝倉の話】ACCUPHASE A-35 のお話

すっかりレポートが遅くなってしまいました。
アキュフェーズ A-47を聴きました。
最近のアキュフェーズのトレンドに「ダンピングファクターの向上」があげられます。
理想のアンプを目指して、あくなき挑戦を続ける姿勢には頭が下がります。
そのダンピングファクター、今回のモデルは600以上を実現しました。
これはすごい数字です。
内部インピーダンスが13mΩ以下と言い換える事が出来ます。
こう言った方が何となくすごさがわかるような気がしますが、アキュフェーズさん、どうでしょうか?
さてそのダンピングファクター600を実現するために何を行ったのか。
エンジニアの方に伺いましたので、お伝え致しましょう。
最初は大型の電源部。
十分な余裕を持ったサイズ、容量です。
出力の6パラレル構成で大電力にも余裕をもって対応できるようにし、出力端子までの配線も太く、短く。
プロテクション用のスイッチもMOS-FETスイッチを採用し、更にスピーカー端子ぎりぎりまでNFBのループに入れてしまいました。
しかもそのNFBは信号線のみならず、アース側端子もループに入れる徹底ぶり。
音を聴く前から、良いサウンドがするんじゃないか?と思いこませられるところでした。
ああ、あぶない。
とにかくは音を聴かせてもらいましょう。
あー、更に良くなりましたね。
A65がA70のモデルチェンジした時に感じた印象のほぼそのままのことがA-46からA-47へのモデルチェンジでもおきた、といった感じです。
低音部のエレルギー感が増し、躍動感、表現の豊かさ、S/N比が良くなって、ステージの見通しが良くなりました。
やや積極的、骨太の方向に来ましたから、お好みに合うかどうか試聴していただくのがベストです。
良くなったのは間違いないですが、好みの音質かは別の問題ですから、やはり聴いていただきたいですね。
そのS/N比なのですが、ここまで機器のノイズが減った昨今、これ以上ノイズ成分を減らして音質向上に寄与するの?と疑問に思っていました。
(過去形です)でも、実際に聴いてみると今まで聴こえなかったところが聴こえてくるのです。
聴いた気持ちになっていたものが、実は何割かを聞き漏らしていたのです。
こりゃあ、手持ちのCDも片っ端から聴き直さないといけませんね。
ノイズと言えば、アンプ本体から発生するトランスのうなりも気になるケースが多いもの。
さすがはアキュフェーズ、しっかり振動対策、騒音対策がなされています。
なんでもトランスのノイズ検査をするときは、周囲のS/N比が良くなった時に(つまり深夜に)聴診器まで使って検聴をするのだそうです。
もちろん、原理的に振動はゼロにはなりませんが、きわめて小さい値を実現しています。
すごいです。
意匠デザインの一つのととらえる事もできる「メーター」を取ってみても同社のこだわりは半端ではありません。
ピーク表示を行うメーターは専用の駆動回路(デジタル方式)を搭載し、ピークホールドも可能。
感度切り替えにも対応し、長寿命のLED照明になっています。
今回のA-47に限った事ではありませんが、アキュフェーズ社のサービス体制もおすすめできる大きなポイントです。
充分に余裕を持たせた設計で、長期にわたって初期の性能を維持でき、サービスの行いやすいように工夫されています。
部品の保有年数間も長く、30年前の製品にしても、ほとんど修理が可能でした。
20年使って、オーバーホールして、更に10年使う。
といった計画が立てられるのも大きな特徴です。
初期費用が多少嵩んでも、試用期間が長ければ充分釣り合うのではないでしょうか。
で、A-47は当店お薦めのパワーアンプです。
一人で運搬できる大きさと重さも重要なポイント。
セッティングを変えるたびにお友達を呼んだり、販売店に依頼したりでは大変です。
パワーアンプをお考えの時は候補の一つに入れて下さい。
以上、この文章の担当は朝倉でした


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アキュフェーズ C-3850を聴きました!

●前書き
ついにこの日がやって来ました。
あのC-3800がモデルチェンジを果たしたのです。
C-3800は高性能なアキュフェーズのコントロールアンプの中にあっても別格の高性能/高音質モデルです。
今まで聞き逃していた音を発見させてくれる情報量の多さ、ノイズレベルの低さ、誇張なしに鋭いアタックも表現し、ゆとりと瑞々しさも併せ持つ、マニア垂涎のコントロールアンプです。
いったいどこをどうやって改良モデルを発売にまで持ってきたのか。大変に興味を持って試聴に臨みました。


●はしがき
たしか、『C-3800はアキュフェーズ40周年の記念モデルで、単発で売り出す』と、当初は聞いたような記憶があります。
私だけでなく、複数の者が『より高価でいいから、びっくりするような高性能機を出せば売れるのに』と言い続けていて、それは記念モデルのC3800で現実になりました。
はたして、アキュフェーズの読みは良い意味で外れ、作っても、作っても品切れになる状態でした。
注文してすぐに納めてくれるようになったのは半年くらいたってからだった、と思います。
今回、C-3850を発売するということは、シリーズ化されたレギュラー商品としての発売です。
アキュフェーズ最高峰の発売です。


●能書き
私の目の前にC-3850があります。見た目の印象は変わりません。
よく見るとボリュームの減衰量表示が見やすくなっています。
入力の表示も視野角を考え、視認性がよくなっています。
一つの製品をしつこく、しつこく改良する姿勢は、なかなかできることではありません。
本当に感心します。
さあ、音を出してみましょう。
むむ、これはすごい。
何がすごい?
音色が変わった。
それと更にS/N比が上がっている。
それじゃあ、わからん。
そうですね。
もっと具体的にお伝えしましょう。
音色の変化ですが、C-3800はアキュフェーズのコントロールアンプでもやや異色の印象がありました。
フラットレスポンスというよりは、やや中域の張り出しが強めで、対して高域のエレルギー感がやや弱く、木管楽器の道管音のような音色を、若干ですが感じさせました。
今回のC-3850はそのあたりの変化が大きく、他のアキュフェーズ製品と共通項が増え、グレードアップも違和感なく行えます。
特に中高域の生々しさは抜群で、是非とも聴いていただきたいポイントの一つです。
S/N比もすごいです。
更に2dB改善されているとか。
すでに文句のつけようがなかったのに、いったいどうやって性能を上げたのでしょうか、エンジニアに聞いてみました。
そうしたら、やはり真面目に解決していたのでした。
信号系のOPアンプに超ローノイズ型を採用し、特にAAVAの上位4bitに至っては4パラレル動作をしているそうです。
4パラということは√4ですから2倍(6dB)の性能向上です。
もちろん下位の12bit分を勘案しないといけませんから、6dB分すべての向上はしません。
でも随分とよくなると思います。
素材で贅沢をし、更に使いこなしで工夫を凝らし、トータルの性能を向上させたのです。
執念すら感じました。
これは危険なアンプが登場しました。
何が危険か?
それは試聴すると欲しくなってしまう、大変危険なアンプなのです。
皆様の確かな耳でお確かめ下さい。
当店お薦めの1台です。
C-3800が登場した当時の文体に似せて書かせていただきました。
この文章は朝倉が担当いたしました。


■コントロールアンプ
ACCUPHASE C-3850
希望小売価格¥1,944,000 ⇒ 販売価格はお問合せください。
6月下旬発売予定
ご予約承ります!
http://www.audiounion.jp/ct/detail/new/115883/


※全てピンボケで申し訳ございませんが、写真を掲載します。








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マクソニックってなんだ?
よほどのベテランマニアでなければ、まさに未知のブランド。
励磁型スピーカーで有名だった同社ですが、日航ジャンボの御巣鷹山事故をきっかけに会社を解散します。
その後、当時マクソニックに磁気材料を提供していた会社の方が、マクソニック復活を決意。
ご親族の方からブランドを使う許可も得て、返り咲いた高級オーディ専門メーカーです。

そのマクソニックが初めてのプリメインアンプを出しました。
親しい方から、「今度のマクソニック、すごく良いよ」と聞き、それじゃあ聞かないわけにはいかない。
と、メーカーから試聴機を借りました。
良いです。
これ。
使うスピーカーの選り好みもせず、あっからからんと鳴らしてしまいます。
これは詳しく見て行かないといけません。

■マクソニック プリメインアンプ Maxonic SD-016 希望小売価格1,134,000円


ではでは、順繰りに見てみましょう。
外観は何十年も経た製品の様なたたずまい。
なんでも「古美処理」というそうな。
渋くクラシカルな雰囲気は、他の製品では得難い個性です。
最新のオーディオ製品群にこんな製品が割って入るなんて、想像するだけで楽しいですね。

 
入出力端子は削り出しの高級品、あまり見たことが無い形態ですからオリジナルかも知れません。



入力された信号はセレクタースイッチに直行。
入力の4番に限り信号レベルを落とすための抵抗を介します。
それから今度は入力ボリュームへ。
このボリュームは、カナダ製と書かれています。
きっと、いろいろ試して、この部品に行きついたのだと思います。
だって、いい音しますから。





それから今度はアンプ初段の真空管に入り、増幅開始です。
2段目はSITのドライブ段。
3段目はSITの出力段。
これでおしまい。
真空管が1本、SITのドライブ段が1個、出力段はプッシュ・プルだからSITが2個。
なんとシンプルでしょうか。
もちろん、ステレオアンプですから全く同じものがもう一組あって、それでも真空管が2本、SITが6個だけの超シンプルアンプです。





ここまで見てきて、何やら見慣れない配線に気が付きました。
いろいろやってみた結果、この配線材料がとても良い結果を出せるのだそうです。
部品同士を直接リード線で結ぶやり方も、現代標準になった量産型生産方法のまさに正反対の手法。
シンプルな構成だからいいけど、これで複雑な回路だと修理の難易度が高くなるだろうなあ。
それにしても、生産性なんかを考えず、自身のベストと思って方法をとるなんて、なかなかできるものではありません。
本筋は以上ですが、ちょっと脱線して、周囲の構成も確認してみましょう。


これは電源トランス。
コアを締めるバンドにボルトが付いています。
実はバンドの締め付けトルクは、音質の変化が大きいところ。
最終的にここでも音質を合わせる調整を行っていると推測します。

これはSIT分の電源平滑コンデンサー。
配線もさることながら、固定も金属バンドを使わない工夫がなされています。
この辺は設計者の経験の深さを感じさせるところです。



これはスピーカーの保護回路。
過電流保護、直流検出保護を受け持っています。
信号のON/OFFは出力端子ぎりぎりに取り付けられたリレーの仕事。
これも基盤を介さず、ダイレクトに結線されています。

これはSITを冷却するためのファン。
煙突型のヒートシンクに取り付けられたSITを効率的に放熱します。
安全第一ですね。
さて、脱線はこのくらいにして、本筋に戻りましょう。
さっきから何度も登場しているSITってなんだ?
実は1970年代に東北大学で発明された増幅素子。
当時はV-FETと呼ばれ、YAMAHA、SONYなどからアンプが発売されていました。
大変に良い音質が出る可能性を秘めた素子でしたが、コストが高い、使いこなしにコツが必要で、周辺の構成もコストがかかる(ケチるとろくな音がしない)逆バイアスを掛けることから、設計が厄介。
(そんな事をめんどくさがるのは朝倉くらいかも知れません。ああ、恥ずかしい)
SIT(Static Induction Transistor)はその名の通り、静電誘導型トランジスターです。
大電流にも対応でき、低内部抵抗、低損失、高速動作など、優れた特徴を持ちます。
特にオーディオ用として重要なのは音質で、三極管の動作曲線に近い優れた音質を再現できる、高い可能性を持った素子なのです。
オーディオ以外にはたとえば超音波洗浄機の出力素子などにも使われているそうです。
今回採用のSITはNECトーキン製。
これまでのマクソニックアンプ内部とちょっと景色が違うのはそのせいだったのですね。
そのSITの特性をうまく生かして、とびぬけた音質のアンプを作ってやろうとしたのが本器です。
例えばドライバー段と出力段。
同じヒートシンクにきわめて接近して取り付けられています。
これはFETアンプでは特に重要な構成で、配線がちょっとでも長くなると、音質の劣化が著しい箇所なのです。
また、同一のヒートシンクに取り付けてあることから、熱的にも安定した動作が可能です。

ちょっとここも見てください。
出力に取り付けられた抵抗(エミッタ抵抗じゃなかった、ソース抵抗か)の値、0.1Ωです。
ふつうは0.33Ωとか0.47Ωとか、低くても0.22Ω位を採用するものですが、安定動作のよほどの自信が無ければできない構成です。
(テクニカルブレーン、ソニーの両社からはこの抵抗を排した製品が出ています。実験機ならともかく、市販するには大変な苦労があったと察します。)


NFBはありません。
従ってダンピングファクターはそれほど高い値ではありませんが、接続されるスピーカーに対し、いい意味で鈍感です。
よっぽど個性が強いスピーカーでなければ、鼻歌まじりでドライブします。

肝心の音質は?
品物がお店にありますから、聴いていただくのが一番です。
そうは言っても、なかなかお店に行かれない。
そりゃあそうですよね。
失礼いたしました。
一言で言って、鮮度が高い印象です。
一音一音の粒立ちが良くて、広がりだけでなく、高さや奥行を感じさせる能力があって、エネルギーを感じさせる、写実的な音質です。
録音状態の良いソフトを再生すると、まさに生き生きと再生が始まり、その場に居合わせたかのような錯覚すら感じます。
これ、注目の製品です。
最後に注意点もありますので申し上げておきます。
残留ノイズは多めです。
スピーカーに耳を近づけると、明らかに雑音が聴こえます。
リスニングポジションで無音時に気にならないからこれで良い、という方にお勧めします。
また、空冷のファンも回っていますから、アンプからのノイズも多少あります。
それから接続を行う際は、必ず電源を切って行ってください。
これはSITの特性で電源を入れていない状態でも電気が流れる特性を持っています。
電源を切ることによって、リレーによって回路が遮断され、安全に結線が行えます。
もし電源投入のまま配線作業を行うと、最悪の場合接続された機器を破損する可能性があります。
基本に忠実に使っていただければ、全く問題が無いと思います。
大きなメーカーの製品では見られない、明らかな個性を感じる逸品です。
すべてのユーザーにお勧めすることは出来ませんが、長所、短所を判っていただいたうえで、ご自身に関係のない部分の短所であるならば気にしない。
といった割り切りが必要になります。
私、朝倉は大雑把なので、多少のノイズは全く気にならず、聴こえても「今日もアンプが正常動作している証」くらいにしか思いませんでした。
製品の特徴だとお考えください。
以上、マクソニックのレポートでした。


■2014年11月8日(土)試聴会が決定いたしました!

【主催】  お茶の水ハイエンド中古館
【日時】 2014年11月8日(土)
              14:00~16:00 セミナータイム
              16:00~18:00 フリータイム
【場所】 お茶の水ハイエンド中古館店内

※詳しくはこちら
※お問い合わせは、ハイエンド中古館までどうぞ!


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ようやく再開。朝倉の話。

随分と間があいてしまいましたが、何とか再開できました。もう忘れられてしまったかもしれませんが、頑張って始めたいと思います。
今回の話題は6月12日(木)千葉県の四街道市にある「日東紡音響研究所」へお邪魔させていただいた報告です。

さてさて、JRの四街道駅で待ち合わせ、迎えに来てくれた車で約5分。歩くと20分くらいかかる距離ですが(1回だけ歩いた事があります)車だとほんの一瞬です。到着すると早速製品の説明が始まります。

発端は森の響き。最高の音場空間は森の中。自然に音が拡散し、だけどのびやかで疲れない音。そう言ったものを部屋の中で再現できないか?から始まりました。いろいろ、シミュレーションをして、試作をして聴いてみて。
そう言った事を行っているタイミングで、思いもよらぬ事態(良い事です)が発生しました。あのNHKがスタジオを作る。それもコンペで。それでは、ということで、スタジオ内で森の雰囲気を再現したい、吸音ではなく、拡散と反射で壁面を構成したい。でコンペに臨み、見事、指名を勝ち取りました。
で、出来上がってみると、音の良いスタジオということで内外に広く知れ渡るようになったのです。これは最初にお披露目をしたためで、様々な音楽関係の方々から高い評価を得られたのです。

概略を見てみましょう。AGSと名付けられたその装置はAcoustic Grove Systemの略で、森のナチュラルな音場空間を再現しようとするために作られました。

      

ところで、スタジオの壁(壁面)は普通厚さ60cmの吸音層でできています。
なんで60cmか?
入った音波が吸音体を通り、壁に反射してまた吸音体を通りますから、都合120cmの吸音体を通過します。半波長で120cmだと一波長で240cm。波長240cmは340m÷2.4m=140Hz。1/4波長から吸音が期待できますから140Hzの半分70Hzまで吸音。つまり70Hzより上の帯域の吸音構造なのです。
もちろん、もっと下の帯域から吸音を効かせようとすれば当然更に厚くなるわけで、1mの厚さ(43Hz位)を持ったスタジオも中にはあるそうです。
その60cmの厚さに計算されつくした丸い棒を立てて、反射をさせよういうものです。棒の太さも数種類あり、手前が細く、奥に行くほど太い構成。並べている間隔も一様で無いなど、綿密なシミュレーションと実験を繰り返したようです。
通常、壁に当たった音波は、同じ波面で反射します。スピーカーからの音が耳に届いて、一瞬遅れて、似たような音が耳に入るのです。これが音の濁りとして捉えられ、音質劣化の大きな原因です。この、通常は反射してしまう波面を細かく砕いで、一定の時間をかけてじっくり反射させようとしたものです。元の音から比較すると小さなエネルギーを、時間をかけて反射させますから、音質劣化を来さず、自然な響きを再現するのです。
でも、なんで吸音ではいけないのでしょうか?吸音を主体にした部屋に入ったことのある方ならすぐわかりますが、一言で言って、その部屋にいると疲れるのです。直接音が耳にささり、できればその部屋から出ていきたくなります。そこまで顕著でなくとも、大半の音が吸われてしまうので、再生音がどんどん大きくなります。エネルギー感が弱いので充実感が得られにくく、気が付くと、とんでもなく大きな音量で聴いてしまうのです。プロの方からすればスタジオは仕事場ですから、いやだとは言えないでしょうが、作業が終わるとぐったり疲れると思います。また、これでは楽しさが沸いてきませんよね。



自然な反射がある空間はここが違います。反射音がありますから、エネルギー感は損なわれず、充実した音です、しかも邪魔にならない反射音なので、仕事として音を聞き分け、判断しなければならない方にもお奨めできるのです。この辺りは、百聞は一見にしかず、いや、一聴にしかずで、聴いていただければごく短い時間で納得していただけると思います。

日東紡音響という会社、大きい組織です。社員数にして約90人。音響設計、施工、製品配売、コンサルティングサービス、測定などの業務を行っている会社としては、日本一の規模を待っています。もしかして世界一かもしれません。調べていないので推測ですみません。で、実際にオーディオ以外に何をやっているの? 一番わかりやすいのは放送局や録音スタジオ、ホールなどの音響設計。個人宅の楽器演奏室、オーディオルーム。変わったところでは町中にある工場の近隣への騒音拡散防止策の提案、空港への航空機アプローチ路の違いによる市街地の騒音の変化を測定、自動車メーカーや住宅メーカーに防音や整音の提案、鉄道車両の車内騒音の解析など、音に関する様々な業務を行っています。

能書きはこのくらいにして、さあ、音を聴かせてもらいましょう。
実は朝倉はここにお邪魔するのは3回目。最初より2回目の方が音質向上していたこともあり、今回の訪問を楽しみにしていました。
で、びっくりしました。前回の訪問時にわずかに感じていた気になる部分。これが見事になくなっています。
何が気になったのかって?部屋のわずかに甲高い響きがあって、大変に高いレベルにあるのはもちろんなのですが、若干疲れる音色を感じていました。また、天井と床で発生していると思われる、わずかなフラッターもありました。今回はその2点、まったく感じません。
よく見ると、壁のAGSも前回からかなりの変更を受けています。床から腰の高さまであった吸音体が無くなって、この部分もAGSになっています。
つまりこの部屋には積極的な吸音層はもうありません。さらにAGSも棒の長さを変更し、長さの種類を増やし、固有の響きのピークがでないように配慮されています。また、床用に開発された柱状拡散体が天井にも取りつけられています。



ややメリハリ調の明るい音色は、きわめてニュートラルになり、吸音体が無くなったにも関わらず、却って静粛感が増しています。音楽聴いても、会話をしても、聞き取り易く疲れを知りません。もちろん、聴くジャンルは何でもOK。
収録した場所の空間再現が素晴らしいです。みずみずしくて、ナチュラルで、ホールトーンが美しく、プレーヤーの息使いが聞こえて、鍵盤をたたく手が見えるようで、眼前に浮かびあげるボーカリストと握手できそうで、なんと素晴らしい再現力でしょうか。
一度、日東紡音響の製品を購入いただいた方から、追加の注文が多いのが納得できます。

このスタジオ、ちょっと面白い工夫があります。厚手のカーテンが壁全周にわたって吊るしてあります。つまり、全部カーテンで覆うとAGSが無い状態、解放すればAGSの効果を確かめられます。
で、面白いことにわずか20cmくらいカーテンを開けて、ちょっとだけAGSを効かせてもばっちり差がわかるくらいに音が良くなります。大したもんです。



このAGSの一部を切り取り、可搬できる最小単位にしたのもがSYLVANです。これを車に乗せて、依頼があった部屋でデモをするのです。
さらに壁面に置いて(貼り付けて、あるいははめ込んで)使いうように作られたのがANKHです。どこかで見たような寸法だと思っていたら、QRDと同じ値でした。同じ条件で両者の比較実験もできますね。
このANKHを壁ならぬ(壁には違いがありませんが)部屋の隅に置くと、特に低域に効果絶大ということがわかってきました。そこで生まれたのがANKH2(コーナーアンク)です。
さらにリスナーの前面に置くと良い結果が出るのはわかっているが、スペースが取れない時に使うためにANKHを小さくしたANKH3(アンクミニ)が登場。
一番最近リリースされたのは、天井コーナー設置用のANKH4です。この辺の詳しい情報はぜひぜひメーカーサイトをご覧になってください。

さてさて、せっかく来たのだから、ということで、今回は「無響室」と「残響室」に入らせてもらいました。感謝。以前に無響室は入った事(郡山です。どこだかわかっちゃいますね)があり、その時は6面全部が吸音体で覆われていて、網の上を歩いて入りました。
今回は床だけは吸音体が無い5面吸音の部屋で(半無響室と言うそうです)、たとえば自家用車などの重量があるものを試験するときにも使うのだそうです。道理で換気のダクトが大がかりだと思ったら、中でエンジンをかけるのですね。

 

また、床に吸音体を入れ、網を張ることもできる構造になっていました。もちろん、この状態では自動車を入れることはできませんが、、。

続いて残響室。これはスタジオのエコールームに類似した部屋です。(最近はエコーマシンが高性能になって、コストのかかるエコールームはすたれてきています。あそこのエコーが欲しい。だとか、AKGの鉄板エコーを持っているスタジオはどこだ。なんていっていたのが懐かしいです。おっと、話がそれています、すみません)。

 

無響室と残響室は隣り合っていて、壁が取り外せるようになっています。ここに試したい壁材などを取り付け、透過特性を試験できるように工夫されています。残響室にスピーカーを置いて測定音を発し、隣の無響室で透過音をマイクで拾うのです。残響室もなるべく固有の残響音を出さないように曲面の反射板を取り付けて特性を向上させる工夫をしてありました。

と、いうことで、無事に訪問勉強会を終われました。今回は社内で有志を募ったところ、私を入れて7名集まりました。特に若手の参加者が多く、心強い限りです。良く考えたら過去にも勉強会を行っていて、ベテランはその時に参加していたので、今回は若手に偏重したのですね。
後日、参加者に感想を聞いてみました。
やはり、実際に体験してみて得られる事は多く、ためになったといわれました。良かった。いっぱい経験を積んで、相談の守備範囲が広がってくれれば、オーディオの奥深さを感じてくれれば、企画した甲斐があります。


今後も不定期ですがこういった勉強会を開催し、ご報告します。これからもよろしくお願いいたします。

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お待ちかねの第二回目。今日はTAD E-1のユニットから見てゆきましょう。



最大の特徴はCSTと呼ばれる2wayの同軸ユニット。真ん中にある高域再生部分の「ベリリウム製振動板」はあのTAD REFERENCE1と全く同じものを使っています。さすがに周辺部の中域再生部分の振動版。これはベリリウムではなく、マグネシウムを使っています。さて、そのツイーター、なんと高域再生限界が100KHz!どうしてこんなことが出来るのか?それは最高の素材(ベリリウム)を使い、巧みな設計(分割振動を上手く利用する)を行い、厳密な生産管理(抜群の高精度)を実践しないと達成できないのでありました。抽象的で良く分からん?大変失礼致しました。出来る限り分かりやすくご説明したいと思います。




高域用の振動板で重要なポイントは何か?軽いこと。丈夫なこと。固有の音が少ないこと。加工が容易なこと。出来れば価格が安いこと。などなど。
特に軽くて丈夫なことは重要です。軽くて丈夫な振動板は速く振動させることが出来ます。しかし、ある限度まで来ると振動板の部分部分が違った動きをするようになります。全体で動く領域をピストンモーション領域。それを超えてくると分割振動領域に入ります。まずはこのピストンモーションの領域を高い周波数のところに持ってこないと広帯域の再生は出来ません。そのために軽くて丈夫な振動板が必要になるのです。
さてここからが腕の見せ所。ピストンモーション領域を超えると分割振動を起こすようになるわけですが、この分割振動を巧に利用するのです。つまり広い帯域で上手に分割振動を発生させて、固有のくせを抑えながら高い高域限界を得るものです。数ある製品の中には、この一体振動振動領域と分割振動領域の間にわざと大きなピークを作って、それを製品の個性として利用している例もあるようですが、少なくともこのTAD E1に関してはそういった「あざとさ」を一切感じません。
昔は職人のノウハウで上手に分割振動をさせていたようですが、現代のTADは職人技プラス高度なシュミレーションを用いて最適な構造(形状のみならず、厚さの分布、ボイスコイルとの接合方法、などなど)を導き出しているのだと思います。一つの発音体でこれだけフラットで広帯域なものは、なかなか出来ないと思います。


お次は一番大切な中域部分のスピーカー。振動板の素材はマグネシウム。口径は14cm。浅めのコーンで、形状は曲率の大きなカーブド。比較的ストレートに近い形状で明るめの音質を目指していると思います。多分、数KHzのピークが出ないぎりぎりの曲率を設定しているのでは無いでしょうか?確か、高品位のマグネシウム振動板を作っている所は国内に2社あって、どちらで製造している製品も高価なものであると聞いた事があります。そうでしょうね、純度の高いマグネシウムをしわやクラック無にプレスするのは大変な技術だと思います。また、ベリリウムもマグネシウムも防錆加工をきちんと行わなくてはなりません。スピーカーの振動版として大変優れた特性を持つ一方、使いこなしの大変さがお分かりいただけると思います。





スピーカーユニットというとどうしても振動版に注目が集まりますが、フレームも大事な役割を担っています。なんと、削りだしのフレームです。何で削りだしがいいのか?メリットいろいろ。要点は2つ、形状の自由度が高いこと、内部に応力が残らないこと。その他にも細かいことは数あれど、それは専門の書物を読んでもらう事にして、ここでは影響の大きいポイントを挙げたいと思います。フレームは普通プレスか鋳造で作ります。比較的ローコストな製品は鉄板をプレスして作る事が多く、高級機になるとアルミキャストが主流です。どちらも型を用いて作りますので、形状の制約が多いのです。また、残留応力も重要なポイントで、音を濁す原因のひとつです。削りだしという手法を用いることで、余計な応力から逃れているのです。 TADの工夫はこれだけに留まりません。せっかく削りでフレームを作るのならと、磁気回路も同時に作りこんでしまっています。通常はポールピースやバックプレートなど、別々に作って組み上げるのですが、出来るだけシームレスにしようというものです。磁気のロスを減らすのはもちろん、パーツの数を減らせるので「鳴き」も減少できます。また、性能のばらつきを抑えることにもつながります。
磁石はネオジムを使用。現時点で最高のエネルギーを持つ永久磁石です。(このネオジム磁石は日本の発明なのだそうです)これを用いておかげで磁束に余裕が生まれますから、振動板がストロークしたときでも、強い磁束の中に留れる構造を実現できた。と推測します。


ウーファーは18cm口径が2本。これは単純にパラレルに接続され、キャビネットも共用しています。こちらも磁石はネオジムを用いているようですが、ウーファーの磁気回路は強力なほど良い訳ではなく、キャビネットの都合でも最適値が変わります。多分、このキャビネットサイズに合わせて磁力を求めた結果、(これだけの製品で、磁石のサイズをケチってコストダウンするとは到底思えません)やや能率は低くなっています。





余談ですが、88dB/2.83V/m と表示されていますが、このシステムは4Ωですから2.83Vを掛けると電力は2Wです。1Wでの表記に書き改めると、85dB/W/m とあらわせます。このサイズのウーファーが2本使いで85dBだから、能率はやや低め。と書いた次第です。釈迦に説法を失礼致しました。

そうそう、このウーファーはアラミド繊維の織布と不織布のラミネート振動板を採用。しかもセンターキャップ部分まで一体で製造しています。黒色だから、見た目にはカーボンのようにも見えます。そういえば、昔々の紙にカーボンを混紡していたコーンがあって(何年前の話かって?失礼致しました。そういうあなたはベテランですね)短いカーボン繊維がパラパラと落ちてきたものでした。この振動板は軽くて、丈夫で、しかも鳴きが少なく、また、その鳴きも素直です。この傾向は音質に顕著に現れ、明るくて、実に軽々と低音が出てきます。パンチの効いた音ではなく、ナチュラルな音。これ、つまり、入力信号に対して忠実度が極めて高いのではないでしょうか。中域、高域に対しても高い整合性を持っています。


これだけ、たいした内容の製品ですが、朝倉個人としては、「カタログ」に不満を持っています。簡単に言うと、カタログから得られる情報量が少ないと思うのです。美辞麗句を並べろといっているのではありません。せっかくの優れた製品なのに、良さを伝えるにはあまりに文字数が少ないと感じています。紙ベースではスペースが足りないのなら、web上で製作者のトークを載せてください。他の業種でたとえるなら自家用車。ホンダ技研のHPでFACT BOOK(詳細技術情報)のイメージが妥当と思います。興味の無い人は見ませんし、パイオニアのようにしっかりした企業は、私たちユーザーにもっと勉強する機会を与えてください。うわべの情報ではなく、価値のある真実を知りたいと願っています。マニアの願望をかなえようと努力する心意気に共感して、結果として製品を買っていただけるのだと思います。
作る立場と使う立場は違いますが、趣味は同じなのですから、もっと楽しみましょう。これだけは強くお願いします。パイオニアがんばれ。

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 大変お待たせしました。(待っていない?それは失礼致しました)本当に久しぶりにブログの更新をさせてもらいます。一年以上更新無しじゃあ、とっくに忘れられてしまいますよね。実を申せば、担当の朝倉は異動したため、なかなか落ち着いて更新ができませんでした。そのため、このブログも「ハイエンド中古館」の一部に引越しします。前置きはそのくらいにして、早速始めましょう。
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 今回、話題に取り上げるのはTAD スピーカーのEvolution Oneです。実を申せば、音を聴くまではあまり乗り気ではありませんでした。TADのスピーカーといえばTAD-M1とTAD-R1。冷徹なくらいに正確で、忠実で。音がいいのも悪いのもソース次第、周辺機器次第。ベテランのマニアでも使い応えのある、大変に高性能なスピーカーです。そんな高性能スピーカーの弟分だとしたら、全部が一回り劣っているのか?何を聴いても今一歩なのか?と疑ってしまったのです。 
 ところが、聴いてみると、これが実に良いのです。もちろんTAD-M1、TAD-R1ほどの規模は無いですから、同じ音量の再生や、最低域の再現性は、当たり前ですが一歩及びません。何が良いのかと言うと、音楽が実に楽しいのです。音の良し悪しを十二分に表現しつつ、やや明るめで、闊達な表現を出来る能力がとてもすばらしいと感じました。 これはモニタースピーカーとしての能力を目指さず、家庭用としての最高級を目指している(と思います。開発者から聞いていないので、あくまで私の推測です)から出来ることだと感じました。それから、S/N比が実に高く、表現できる空間が広大で、しかも希薄な感じになりません。 
 このS/N比、実は結構クセモノで、ちょっとした小細工で、いかにもそれっぽく感じさせる製品も有ります。(名前はいえません。ごめんなさい)これを正攻法で詰めるのは、1に技術が必要で、2にコストがかかります。そして、3に生産性が悪くなるのが普通です。パイオニアという会社はまじめですが、そこら辺の表現はシャイなのか、あまり自己主張しない傾向があります。仕方が無いから、「朝倉の分かる範囲で代弁しよう」というのが今回の趣旨。どこまでお伝えできるか?がんばってみます。  
 
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 さて、そのTAD-E1ですが、ちょうど中古で入荷してきたPioneer S-1EXと何が違うのだろう?と聞き比べて見ました。ユニットもとても似ているし、特にCSTドライバーなんか瓜二つ。ウーファーもどちらもカーボン見たいだし、ものさしをあてがってみれば径も同じだし。あれ、よく見ると、カーボンの振動版が違う。E1はカーボン繊維が浮き出るような仕上がり。見ても触っても。ん、軽くたたいてみると、振動版の鳴きが明るく素直な感じ。しかも減衰はすばやい。普通、ダンプ剤を使って減衰させると、暗く、沈んだ音色になりがちですが、これは違います。素材の元々持っている特性と形状、構造の工夫ですばやく減衰させている感じです。しかも素直な感じがすると言うことは、振動モードが単純と言うことで、すなわち、構造もシンプルであると推定できます。そうか、あとからダンプして辻褄を合わせるのではなく、最初から鳴き(固有音)を少なくする工夫を、きっと随所に凝らしているに違いない。そう感じさせます。こりゃあ、他も仔細に見ていく必要がありそうです。
   セッティングを試してみようとスパイクの具合を確認する為、底面を見てみました。あれ、ここにネットワークが収納されていそうです。ついでなので確認してみましょう。いかにも通気性の高そうなボードを外してみると、見えました、ネットワーク部。なんとまあ、まじめなつくりにビックリしました。もうこれの説明だけでブログ一回分の文章量になりそうです。(なります) 気が付いた点からあげて見ましょう。通気性の高そうなボードと書きましたが、これは多分フエルト(不織布かも?)をプレスしたもの。吸音効果は高そうですが、外からの音圧、振動を遮断する効果は極めて小さいと思います。じゃあ、何でこんなものを使ったのか?よく考えたら、外からの音圧より、自身(スピーカーだから)の発する音圧が一番大きいわけで。つまりネットワーク回路をスピーカーの外に出したと解釈するべきでしょう。もっと徹底して、丈夫な箱に入れてしまえば良いではないか?ハイ、正論だと思います。でも、やってみるとこれが想像以上に大変で、うまく作らないと音が詰まった、ネクラ(死語かな?)な感じになりやすく、トータルではやらないほうが良いことも多いのです。   
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 全体は大きく3つのパートに分かれています。ウーファー、ミッドレンジ、ツイーターにそれぞれ一枚づつの基盤をおごっています。しかもそれぞれネジの多点止めでがっちりと固定されています。しかも基盤の周囲にダンプが目的と思われるゴムのようなエッジが巻かれています。ネットワーク基盤の振動対策をここまでまじめに施しているのは極めて珍しいと思います。ついでに先ほどのフエルトをとめていたネジまで非磁性体でした。脱帽。   ネットワークの素子も良いものを使っています。コイルは鉄芯入りと空芯を使い分け。鉄芯は積層鋼鈑の開磁回路。もちろん、互いに磁気結合しないように向きも配慮されています。このコイルも、巻き線がばらばらにならないように、きちんと固定されています。さらに巻きも綺麗です。このあたりが意外とまじめに作られていない機種が多いのです。EXCLUSIVE 2404とか2251あたりのネットワークを思い起こしていただけるとイメージが掴みやすいと思います。
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この端子なんかもすごいと思いませんか?内部(見えない部分の)配線でここまできっちりやってくれれば、そのほかも察して知るべきです。   さてさて、ネットワーク回路のすぐ傍は、ねじ留めの為にざぐられた穴にも吸音材が入っています。このあたりまで徹底するのは珍しく、国内のメーカーで実際にやっているのは品川に本社のあるハイテクなイメージが強い某S社(わかちゃいますよね)と、惜しまれつつオーディオから撤退した、NHKモニターで有名な、郡山に工場があった某D社(これもすぐ気が付きますよね)が代表例です。細かく見ていくと、入っている吸音材もメーカーによって違って、個性を感じて楽しいのですが、あまり重箱の隅をつつくのは(メーカーさんに嫌われちゃいますから)止めにしましょう。 
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ネットワーク収納ケース兼スピーカーベースから少し上に目をやると、バスレフのダクトがあります。材木を積層している様子が観察できますから、一度見ていただけることをお勧めします。そして、ここでも感心させられました。ダクト部分が丁寧に角を丸められており、風きり音などの発生を抑えているのです。いかにカタログですばらしい事を書いてあっても、品物を見るとプラスチックの成型もののダクトだったり、穴のセンターが合っていなかったり。そういった製品も散見される中で、これだけ「つくりの良さ」を感じられる製品はおのずと限られてしまいます。 ちょうど良い機会ですので申し上げます。音質の品位を高く保つ為に、つくりの良さは重要な要素ではありますが、ほとんどスペックに表れない部分であるのも事実で、このため一番最初にコストカットされてしまう部分でもあるわけです。一番いいのは、実際に聴いていただければ感じ取っていただけると思いますが、雑誌などで評論家の先生が単純な点数ではない部分で強く勧めている事も多いので、気になる製品は行間を読むくらいに熟読していただけるようにお勧めしたいです。
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話が脱線してしまいました。それでは本題に。入力端子は金属の削りだしと思える質の良いもの。先バラ線、Yラグ端子、バナナ端子に対応するバイワイヤリングタイプで、ジャンパー線も良質のものが付属しています。フット(3点支持)にはスパイクの取り付け(付属品)が可能で、スパイク受けも付属されています。スパイクを使わない時にはコルク(と思われる)シートが貼られたフットを使うことが出来、これも一つの選択肢です。 よく見ると、セッティング中などに不安定にならないように、転倒防止の足も付いています。音質に悪影響を与えないように、普段は活躍しないように僅かに低く設定された足です。こういった部分にも、ユーザーの事を第一に考えた設計だと感心させられます。  長い文章になってしまいました。これからユニットを見てゆこうと思ったのですが、これは次回に譲りましょう。お楽しみに。それではまた。
 


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