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 大変お待たせしました。(待っていない?それは失礼致しました)本当に久しぶりにブログの更新をさせてもらいます。一年以上更新無しじゃあ、とっくに忘れられてしまいますよね。実を申せば、担当の朝倉は異動したため、なかなか落ち着いて更新ができませんでした。そのため、このブログも「ハイエンド中古館」の一部に引越しします。前置きはそのくらいにして、早速始めましょう。
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 今回、話題に取り上げるのはTAD スピーカーのEvolution Oneです。実を申せば、音を聴くまではあまり乗り気ではありませんでした。TADのスピーカーといえばTAD-M1とTAD-R1。冷徹なくらいに正確で、忠実で。音がいいのも悪いのもソース次第、周辺機器次第。ベテランのマニアでも使い応えのある、大変に高性能なスピーカーです。そんな高性能スピーカーの弟分だとしたら、全部が一回り劣っているのか?何を聴いても今一歩なのか?と疑ってしまったのです。 
 ところが、聴いてみると、これが実に良いのです。もちろんTAD-M1、TAD-R1ほどの規模は無いですから、同じ音量の再生や、最低域の再現性は、当たり前ですが一歩及びません。何が良いのかと言うと、音楽が実に楽しいのです。音の良し悪しを十二分に表現しつつ、やや明るめで、闊達な表現を出来る能力がとてもすばらしいと感じました。 これはモニタースピーカーとしての能力を目指さず、家庭用としての最高級を目指している(と思います。開発者から聞いていないので、あくまで私の推測です)から出来ることだと感じました。それから、S/N比が実に高く、表現できる空間が広大で、しかも希薄な感じになりません。 
 このS/N比、実は結構クセモノで、ちょっとした小細工で、いかにもそれっぽく感じさせる製品も有ります。(名前はいえません。ごめんなさい)これを正攻法で詰めるのは、1に技術が必要で、2にコストがかかります。そして、3に生産性が悪くなるのが普通です。パイオニアという会社はまじめですが、そこら辺の表現はシャイなのか、あまり自己主張しない傾向があります。仕方が無いから、「朝倉の分かる範囲で代弁しよう」というのが今回の趣旨。どこまでお伝えできるか?がんばってみます。  
 
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 さて、そのTAD-E1ですが、ちょうど中古で入荷してきたPioneer S-1EXと何が違うのだろう?と聞き比べて見ました。ユニットもとても似ているし、特にCSTドライバーなんか瓜二つ。ウーファーもどちらもカーボン見たいだし、ものさしをあてがってみれば径も同じだし。あれ、よく見ると、カーボンの振動版が違う。E1はカーボン繊維が浮き出るような仕上がり。見ても触っても。ん、軽くたたいてみると、振動版の鳴きが明るく素直な感じ。しかも減衰はすばやい。普通、ダンプ剤を使って減衰させると、暗く、沈んだ音色になりがちですが、これは違います。素材の元々持っている特性と形状、構造の工夫ですばやく減衰させている感じです。しかも素直な感じがすると言うことは、振動モードが単純と言うことで、すなわち、構造もシンプルであると推定できます。そうか、あとからダンプして辻褄を合わせるのではなく、最初から鳴き(固有音)を少なくする工夫を、きっと随所に凝らしているに違いない。そう感じさせます。こりゃあ、他も仔細に見ていく必要がありそうです。
   セッティングを試してみようとスパイクの具合を確認する為、底面を見てみました。あれ、ここにネットワークが収納されていそうです。ついでなので確認してみましょう。いかにも通気性の高そうなボードを外してみると、見えました、ネットワーク部。なんとまあ、まじめなつくりにビックリしました。もうこれの説明だけでブログ一回分の文章量になりそうです。(なります) 気が付いた点からあげて見ましょう。通気性の高そうなボードと書きましたが、これは多分フエルト(不織布かも?)をプレスしたもの。吸音効果は高そうですが、外からの音圧、振動を遮断する効果は極めて小さいと思います。じゃあ、何でこんなものを使ったのか?よく考えたら、外からの音圧より、自身(スピーカーだから)の発する音圧が一番大きいわけで。つまりネットワーク回路をスピーカーの外に出したと解釈するべきでしょう。もっと徹底して、丈夫な箱に入れてしまえば良いではないか?ハイ、正論だと思います。でも、やってみるとこれが想像以上に大変で、うまく作らないと音が詰まった、ネクラ(死語かな?)な感じになりやすく、トータルではやらないほうが良いことも多いのです。   
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 全体は大きく3つのパートに分かれています。ウーファー、ミッドレンジ、ツイーターにそれぞれ一枚づつの基盤をおごっています。しかもそれぞれネジの多点止めでがっちりと固定されています。しかも基盤の周囲にダンプが目的と思われるゴムのようなエッジが巻かれています。ネットワーク基盤の振動対策をここまでまじめに施しているのは極めて珍しいと思います。ついでに先ほどのフエルトをとめていたネジまで非磁性体でした。脱帽。   ネットワークの素子も良いものを使っています。コイルは鉄芯入りと空芯を使い分け。鉄芯は積層鋼鈑の開磁回路。もちろん、互いに磁気結合しないように向きも配慮されています。このコイルも、巻き線がばらばらにならないように、きちんと固定されています。さらに巻きも綺麗です。このあたりが意外とまじめに作られていない機種が多いのです。EXCLUSIVE 2404とか2251あたりのネットワークを思い起こしていただけるとイメージが掴みやすいと思います。
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この端子なんかもすごいと思いませんか?内部(見えない部分の)配線でここまできっちりやってくれれば、そのほかも察して知るべきです。   さてさて、ネットワーク回路のすぐ傍は、ねじ留めの為にざぐられた穴にも吸音材が入っています。このあたりまで徹底するのは珍しく、国内のメーカーで実際にやっているのは品川に本社のあるハイテクなイメージが強い某S社(わかちゃいますよね)と、惜しまれつつオーディオから撤退した、NHKモニターで有名な、郡山に工場があった某D社(これもすぐ気が付きますよね)が代表例です。細かく見ていくと、入っている吸音材もメーカーによって違って、個性を感じて楽しいのですが、あまり重箱の隅をつつくのは(メーカーさんに嫌われちゃいますから)止めにしましょう。 
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ネットワーク収納ケース兼スピーカーベースから少し上に目をやると、バスレフのダクトがあります。材木を積層している様子が観察できますから、一度見ていただけることをお勧めします。そして、ここでも感心させられました。ダクト部分が丁寧に角を丸められており、風きり音などの発生を抑えているのです。いかにカタログですばらしい事を書いてあっても、品物を見るとプラスチックの成型もののダクトだったり、穴のセンターが合っていなかったり。そういった製品も散見される中で、これだけ「つくりの良さ」を感じられる製品はおのずと限られてしまいます。 ちょうど良い機会ですので申し上げます。音質の品位を高く保つ為に、つくりの良さは重要な要素ではありますが、ほとんどスペックに表れない部分であるのも事実で、このため一番最初にコストカットされてしまう部分でもあるわけです。一番いいのは、実際に聴いていただければ感じ取っていただけると思いますが、雑誌などで評論家の先生が単純な点数ではない部分で強く勧めている事も多いので、気になる製品は行間を読むくらいに熟読していただけるようにお勧めしたいです。
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話が脱線してしまいました。それでは本題に。入力端子は金属の削りだしと思える質の良いもの。先バラ線、Yラグ端子、バナナ端子に対応するバイワイヤリングタイプで、ジャンパー線も良質のものが付属しています。フット(3点支持)にはスパイクの取り付け(付属品)が可能で、スパイク受けも付属されています。スパイクを使わない時にはコルク(と思われる)シートが貼られたフットを使うことが出来、これも一つの選択肢です。 よく見ると、セッティング中などに不安定にならないように、転倒防止の足も付いています。音質に悪影響を与えないように、普段は活躍しないように僅かに低く設定された足です。こういった部分にも、ユーザーの事を第一に考えた設計だと感心させられます。  長い文章になってしまいました。これからユニットを見てゆこうと思ったのですが、これは次回に譲りましょう。お楽しみに。それではまた。
 


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