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ようやく再開。朝倉の話。

随分と間があいてしまいましたが、何とか再開できました。もう忘れられてしまったかもしれませんが、頑張って始めたいと思います。
今回の話題は6月12日(木)千葉県の四街道市にある「日東紡音響研究所」へお邪魔させていただいた報告です。

さてさて、JRの四街道駅で待ち合わせ、迎えに来てくれた車で約5分。歩くと20分くらいかかる距離ですが(1回だけ歩いた事があります)車だとほんの一瞬です。到着すると早速製品の説明が始まります。

発端は森の響き。最高の音場空間は森の中。自然に音が拡散し、だけどのびやかで疲れない音。そう言ったものを部屋の中で再現できないか?から始まりました。いろいろ、シミュレーションをして、試作をして聴いてみて。
そう言った事を行っているタイミングで、思いもよらぬ事態(良い事です)が発生しました。あのNHKがスタジオを作る。それもコンペで。それでは、ということで、スタジオ内で森の雰囲気を再現したい、吸音ではなく、拡散と反射で壁面を構成したい。でコンペに臨み、見事、指名を勝ち取りました。
で、出来上がってみると、音の良いスタジオということで内外に広く知れ渡るようになったのです。これは最初にお披露目をしたためで、様々な音楽関係の方々から高い評価を得られたのです。

概略を見てみましょう。AGSと名付けられたその装置はAcoustic Grove Systemの略で、森のナチュラルな音場空間を再現しようとするために作られました。

      

ところで、スタジオの壁(壁面)は普通厚さ60cmの吸音層でできています。
なんで60cmか?
入った音波が吸音体を通り、壁に反射してまた吸音体を通りますから、都合120cmの吸音体を通過します。半波長で120cmだと一波長で240cm。波長240cmは340m÷2.4m=140Hz。1/4波長から吸音が期待できますから140Hzの半分70Hzまで吸音。つまり70Hzより上の帯域の吸音構造なのです。
もちろん、もっと下の帯域から吸音を効かせようとすれば当然更に厚くなるわけで、1mの厚さ(43Hz位)を持ったスタジオも中にはあるそうです。
その60cmの厚さに計算されつくした丸い棒を立てて、反射をさせよういうものです。棒の太さも数種類あり、手前が細く、奥に行くほど太い構成。並べている間隔も一様で無いなど、綿密なシミュレーションと実験を繰り返したようです。
通常、壁に当たった音波は、同じ波面で反射します。スピーカーからの音が耳に届いて、一瞬遅れて、似たような音が耳に入るのです。これが音の濁りとして捉えられ、音質劣化の大きな原因です。この、通常は反射してしまう波面を細かく砕いで、一定の時間をかけてじっくり反射させようとしたものです。元の音から比較すると小さなエネルギーを、時間をかけて反射させますから、音質劣化を来さず、自然な響きを再現するのです。
でも、なんで吸音ではいけないのでしょうか?吸音を主体にした部屋に入ったことのある方ならすぐわかりますが、一言で言って、その部屋にいると疲れるのです。直接音が耳にささり、できればその部屋から出ていきたくなります。そこまで顕著でなくとも、大半の音が吸われてしまうので、再生音がどんどん大きくなります。エネルギー感が弱いので充実感が得られにくく、気が付くと、とんでもなく大きな音量で聴いてしまうのです。プロの方からすればスタジオは仕事場ですから、いやだとは言えないでしょうが、作業が終わるとぐったり疲れると思います。また、これでは楽しさが沸いてきませんよね。



自然な反射がある空間はここが違います。反射音がありますから、エネルギー感は損なわれず、充実した音です、しかも邪魔にならない反射音なので、仕事として音を聞き分け、判断しなければならない方にもお奨めできるのです。この辺りは、百聞は一見にしかず、いや、一聴にしかずで、聴いていただければごく短い時間で納得していただけると思います。

日東紡音響という会社、大きい組織です。社員数にして約90人。音響設計、施工、製品配売、コンサルティングサービス、測定などの業務を行っている会社としては、日本一の規模を待っています。もしかして世界一かもしれません。調べていないので推測ですみません。で、実際にオーディオ以外に何をやっているの? 一番わかりやすいのは放送局や録音スタジオ、ホールなどの音響設計。個人宅の楽器演奏室、オーディオルーム。変わったところでは町中にある工場の近隣への騒音拡散防止策の提案、空港への航空機アプローチ路の違いによる市街地の騒音の変化を測定、自動車メーカーや住宅メーカーに防音や整音の提案、鉄道車両の車内騒音の解析など、音に関する様々な業務を行っています。

能書きはこのくらいにして、さあ、音を聴かせてもらいましょう。
実は朝倉はここにお邪魔するのは3回目。最初より2回目の方が音質向上していたこともあり、今回の訪問を楽しみにしていました。
で、びっくりしました。前回の訪問時にわずかに感じていた気になる部分。これが見事になくなっています。
何が気になったのかって?部屋のわずかに甲高い響きがあって、大変に高いレベルにあるのはもちろんなのですが、若干疲れる音色を感じていました。また、天井と床で発生していると思われる、わずかなフラッターもありました。今回はその2点、まったく感じません。
よく見ると、壁のAGSも前回からかなりの変更を受けています。床から腰の高さまであった吸音体が無くなって、この部分もAGSになっています。
つまりこの部屋には積極的な吸音層はもうありません。さらにAGSも棒の長さを変更し、長さの種類を増やし、固有の響きのピークがでないように配慮されています。また、床用に開発された柱状拡散体が天井にも取りつけられています。



ややメリハリ調の明るい音色は、きわめてニュートラルになり、吸音体が無くなったにも関わらず、却って静粛感が増しています。音楽聴いても、会話をしても、聞き取り易く疲れを知りません。もちろん、聴くジャンルは何でもOK。
収録した場所の空間再現が素晴らしいです。みずみずしくて、ナチュラルで、ホールトーンが美しく、プレーヤーの息使いが聞こえて、鍵盤をたたく手が見えるようで、眼前に浮かびあげるボーカリストと握手できそうで、なんと素晴らしい再現力でしょうか。
一度、日東紡音響の製品を購入いただいた方から、追加の注文が多いのが納得できます。

このスタジオ、ちょっと面白い工夫があります。厚手のカーテンが壁全周にわたって吊るしてあります。つまり、全部カーテンで覆うとAGSが無い状態、解放すればAGSの効果を確かめられます。
で、面白いことにわずか20cmくらいカーテンを開けて、ちょっとだけAGSを効かせてもばっちり差がわかるくらいに音が良くなります。大したもんです。



このAGSの一部を切り取り、可搬できる最小単位にしたのもがSYLVANです。これを車に乗せて、依頼があった部屋でデモをするのです。
さらに壁面に置いて(貼り付けて、あるいははめ込んで)使いうように作られたのがANKHです。どこかで見たような寸法だと思っていたら、QRDと同じ値でした。同じ条件で両者の比較実験もできますね。
このANKHを壁ならぬ(壁には違いがありませんが)部屋の隅に置くと、特に低域に効果絶大ということがわかってきました。そこで生まれたのがANKH2(コーナーアンク)です。
さらにリスナーの前面に置くと良い結果が出るのはわかっているが、スペースが取れない時に使うためにANKHを小さくしたANKH3(アンクミニ)が登場。
一番最近リリースされたのは、天井コーナー設置用のANKH4です。この辺の詳しい情報はぜひぜひメーカーサイトをご覧になってください。

さてさて、せっかく来たのだから、ということで、今回は「無響室」と「残響室」に入らせてもらいました。感謝。以前に無響室は入った事(郡山です。どこだかわかっちゃいますね)があり、その時は6面全部が吸音体で覆われていて、網の上を歩いて入りました。
今回は床だけは吸音体が無い5面吸音の部屋で(半無響室と言うそうです)、たとえば自家用車などの重量があるものを試験するときにも使うのだそうです。道理で換気のダクトが大がかりだと思ったら、中でエンジンをかけるのですね。

 

また、床に吸音体を入れ、網を張ることもできる構造になっていました。もちろん、この状態では自動車を入れることはできませんが、、。

続いて残響室。これはスタジオのエコールームに類似した部屋です。(最近はエコーマシンが高性能になって、コストのかかるエコールームはすたれてきています。あそこのエコーが欲しい。だとか、AKGの鉄板エコーを持っているスタジオはどこだ。なんていっていたのが懐かしいです。おっと、話がそれています、すみません)。

 

無響室と残響室は隣り合っていて、壁が取り外せるようになっています。ここに試したい壁材などを取り付け、透過特性を試験できるように工夫されています。残響室にスピーカーを置いて測定音を発し、隣の無響室で透過音をマイクで拾うのです。残響室もなるべく固有の残響音を出さないように曲面の反射板を取り付けて特性を向上させる工夫をしてありました。

と、いうことで、無事に訪問勉強会を終われました。今回は社内で有志を募ったところ、私を入れて7名集まりました。特に若手の参加者が多く、心強い限りです。良く考えたら過去にも勉強会を行っていて、ベテランはその時に参加していたので、今回は若手に偏重したのですね。
後日、参加者に感想を聞いてみました。
やはり、実際に体験してみて得られる事は多く、ためになったといわれました。良かった。いっぱい経験を積んで、相談の守備範囲が広がってくれれば、オーディオの奥深さを感じてくれれば、企画した甲斐があります。


今後も不定期ですがこういった勉強会を開催し、ご報告します。これからもよろしくお願いいたします。

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